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施設見学時の裏ワザ的チェックポイント
石井 裕之
(CFPファイナンシャル・プランナ-)
こんにちは。FPの石井裕之です。
親御さんや将来のご自身の入所を見据えて施設の見学をお考えの方、いらっしゃると思います。
今回はその際の、あまり紹介されない裏ワザ的チェックポイントについてです。
☆見学は飛び込み、もしくは当日朝のアボイント取りを
かつて私の娘たちが通っていた私立学校は、学校説明会の前になると清掃して花を飾るので、手伝わされる生徒は大変だったとこぼしていました。でも参加者からすると、なるべく普段の姿を見たいですよね。
飛び込みでの見学を施設にお願いすると、「困ります」と言われることもあり、確かに会議などの予定がある場合もあるでしょう。ただ何度も同じ対応であれば疑ってみても良さそうです。入所希望者の訪問は基本的に歓迎のはずですから。
☆施設内の共用スペース等の掲示物は新しいか
古いものばかりだと、イベントが少ないのかもしれません。
☆職員は明るいか、服装や言葉遣いはどうか
あと、聞けるようなら、経験や保有資格の有無、特に定着率を。定着率が悪いと、人員配置基準のために多少問題のある人も採用される可能性があります(あくまで可能性ですが)。
☆入所者へのインタビューは話半分に聞く
どの施設にも大概、施設に好意的な入所者と、その逆の人がいます。
実際に、見学者の訪問時には前者の方だけ共用スペースにいてもらい、後者の方は自室待機させる施設がありました。
また共用スペースの利用者が多ければ、閉じ込めは無さそうとの推測もできます。
☆車いす利用者が多いかどうか
これも一概に言えませんが、利用者が多いとスタッフが安易に楽な方向のサービスに向かっている可能性があります。
☆施設周辺で情報収集する
施設周辺の飲食店・喫茶店などで聞ける評判は有力な情報源です。肯定的な話が聞けるなら、その施設は信頼できるかもしれません。
もし入所者の家族などのお客さまから聞けるようなら、なおさらです。
ここからは裏ワザではありませんが、入所に関する契約書・重要事項説明書関係での、特に大切なチェックポイントとして、次のようなものがあります。
☆料金の内訳(加算の有無)…加算部分も基本的に自己負担が生じるので
☆キャンセル規定…期限、およびキャンセル料の有無・金額
☆生活相談や苦情受付窓口…明確になっているか
☆食べられなくなった時の対応…ソフト食・ミキサー食は可能か
☆夜間体制、緊急時対応…夜間でも医師や看護師が来てくれるかどうか
☆看取りの対応…施設での看取りは可能か。退所となるケースがあるのか
なお、施設利用料のかなりの部分は人件費です。人員配置基準は「3:1」などと表現されますが、これは入所者3人あたり職員1人という意味ではありません。
専門的な計算式があり、簡単に言うと、1フロア20~25人くらいの定員で満室の場合、日中は1フロアあたり、介護・看護スタッフは合計2人程度になります。
高級な施設では、「2.5:1」が3人程度、「2:1」が4人程度、「1.5:1」は6人程度です。
最後に、住まい選びの前に必ず行うべきことを3点。
1.ストック(資産)とフロー(日頃のお金の流れ)を確認する
年金額はいくらか、預貯金や金融資産はどれ位あるかなどを確認することで、どのような施設に何年間いられるかを予測する
2.終の棲家をどこで過ごすか決める
自宅(在宅)は、希望60%に対して現実は10%程度です。ちなみに介護付き有料老人ホームの入居年齢平均は約85歳です。
3.早めに断捨離を
有料老人ホームの部屋は18㎡程度しかなく、ほとんど物が置けないことを念頭に。
それでは、また次回。
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