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バランスの良い食事

(2023年2月掲載)

石井 裕之
(CFPファイナンシャル・プランナ-)


こんにちは。FPの石井裕之です。

言うまでもなく、健康でないと医療費がかかるだけではなく、生活の質そのものが下がってしまいますね。そのために「バランスの良い食事」を心がけている方が多いと思います。そのひとつとして、オメガ6系とオメガ3系のバランスも重要です。

 

私たちの身体は内分泌系のホルモンにより調整されていますが、それとは別に、アレルギーや炎症、血液サラサラに関係する、全身の組織細胞で作られる調整物質が存在します。この調整物質は、すぐに壊れて消えてしまうために長らく謎扱いだったようで、ようやく1970年代に全容が解明されました。

 

解明された調整物質は、芋づる式に何千と連なる大所帯でしたが、その先駆体といえるものは、オメガ6系のリノレン酸とアラキドン酸、およびオメガ3系のエイコサペンタエン酸(EPA)の3ついずれも体内で合成できないので食べ物から摂取する必要があり、そのため「必須脂肪酸」とも呼ばれています

この3つは摂取量のバランスが大切ですが(最近の研究では、オメガ6系と3系は正反対の働きをするようです)、現代人は圧倒的にオメガ6系が多いとのこと。外食が多い人や、魚をあまり食べない人は特に顕著のようです。オメガ6系も必須とはいえ、過剰の際の、アレルギー性やアトピー性、さらには気管支喘息などの諸症状が臨床医から指摘されています。

オメガ6系とオメガ3系の正しい比率を調べるために、石器時代までさかのぼって人類の食事の歴史を調べた栄養学者がいたそうで、諸種のデータからの推定によると当時は11だったようです。後に農耕が開始され31程度になったそうですが、劇的に変化したのは20世紀後半以降に、肉や、オメガ6系を高比率に含む植物加工油脂などが大量消費されるようになった頃からとか。現在は、欧米のみならず日本人でも101近いようです。フレンチフライやファストフード、揚げ物などを多く食べる人はさらにかもしれません。

現在推奨されている比率は、理想的には21だそうですが、これは現代人にはハードルが高いので、せめて4対1以内にとされているようです。ちなみにアトピー性皮膚炎の治療の一環で食事指導を行っている病院では、31以内としているところもあります。

オメガ3系の摂取は、サプリメントからでも可能ですが、基本的には魚介類と、後述の油が中心になります。

でも魚料理って、手間がかかるうえ後片付けも面倒ということで、敬遠する方もおられるかもしれません。そういう方にお勧めなのが、鯖の水煮缶です(味噌煮などもありますが、塩分量などの理由で)。鯖の缶詰は、生の鯖を調味料といっしょに缶詰容器に入れてから密閉・加熱して製造します。密閉後は酸素に触れることがないので酸化しにくく、美味のまま保存が可能です。1缶で1日分のオメガ3系が摂れるので、サプリメントより経済的かもしれません(サプリメントによっては含有量が僅かでしょうから)。買い置きしておいて、たまにはこういう食卓も良いかもしれませんね。

また、オメガ6系(具体的には紅花油、コーン油、ごま油、ひまわり油、スナック菓子、揚げ物など)の摂取を減らし、逆にオメガ3系(アマニ油、エゴマ油、くるみ、チアシードなど)を増やすのも、バランスをとるには有効でしょう(蛇足・・・何でもそうですが、摂り過ぎは好ましくありません)。

なお、私も一応栄養学を学んではいますが、いかんせん専門家ではないので、言葉遣いが正確でない部分もあるかと思います。何卒ご容赦のほど。

それでは、また次回。