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貯蓄が計画通り進んでいない方へ

(2023年8月掲載)

石井 裕之
(CFPファイナンシャル・プランナ-)


こんにちは。FPの石井裕之です。

今年も半分以上が過ぎてしまいました。年齢のせいか、ますます1年の早さを痛感するこの頃です。

ところで、お正月に「今年はいくら貯めるぞ!」という目標を立てられた方、計画通りに進んでいるでしょうか?今回は、計画通りに進んでおらず意欲を失いかけている方に、特にお伝えしたい内容です(ここでいう貯蓄には投資なども含みます)。ちなみに目標が貯蓄以外の、学習計画などであっても同様です。

FPは生身の人間相手の仕事が多いこともあって、カウンセリングや心理学の勉強をしたり、資格取得している人もいます。かくいう私も、かつて退職後1年間使える教育訓練給付制度を利用してキャリアカウンセラー資格を取得したり、また未熟者ながら、心理学の勉強を独自に継続しています。

心理学に、セルフコンパッションという言葉があります。自分への思いやりという意味で、これが高いと目標に向けた努力を継続しやすいことがわかっています。自分のモチベーションや記憶力、集中力などを高められるからです。たとえば、「計画通りに出来ない時もあるよ、人間だもの」は、継続しやすい考え方といえます。

逆に、自己批判をすると挫折しやすくなります。自分で自分のモチベーションを下げてしまい、かつ、集中力なども落ちるという悪循環に陥ってしまうからです。「計画を守れない自分なんてダメだ」と考えることは、挫折まっしぐらといえるでしょう。

なお、誤解されがちですが「自分への思いやり」と「甘やかし」は別物です。ダイエットを例にとると、「昨日お菓子を食べたのは許すけど、今日は控えよう」が思いやりなのに対して、「お菓子は毎日好きなだけ食べていいんだ」は甘やかし。つまり、自分を幸せに導くのが思いやり、不幸に導くのは甘やかしという違いです。

セルフコンパッションはマインドセット(考え方)のひとつで、これを変えることで習慣の続きやすさも変わりますが、今回もうひとつお伝えしたいのは「挫折からの復活」です。挫折したり習慣が途切れた経験は誰しもあるもの。大切なのは、そこから気を取り直してやり直すことです。挫折からの復活に関する効果的な方法を3つご紹介します。

1.復活を褒める 

 挫折した際に自己批判してしまうと、さらに行動力が下がってしまいます。一方、「習慣が途切れたのに復活する自分はすばらしい!」と、自分を褒めてやり直すと、習慣を続けやすくなります。

 

2.簡単にする

 「サボっていた分を取り返そう」とハードルを上げると、ますます挫折しやすくなります。逆にハードルを下げたり、やり方を簡単にすると復活しやすくなります。たとえば「毎月○○円貯めるのが続かなかったから、半分に減らそう」は続けやすくなります。貯まるスピードは半分になりますが、目標達成の可能性が復活します。

3.やり方を変える

 習慣が途切れた場合、再び以前と同じやり方をすると、また挫折しがちになるのに対して、やり方を変えると続けやすくなります。古典的な方法ですが、自動引き落としが可能であれば利用するとか、封筒を用意して貯める分を最初に取り分けるなどです。
学習であれば、「夜の勉強が続かなかったので、朝ちょっぴり早起きするようにしよう」や、「家にいるとついスマホを見てしまうから、図書館などの集中できる場所に行こう」も有効でしょう。

 

また、正月に目標を立てた際の感情(が特に大切です)を思い出したり、そもそもの動機を再確認することもお勧めです。2023年はまだ続きます。挫折するのは早すぎます(笑)。どうか頑張ってください。

それでは、また次回。