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地域包括支援センターに20代が相談した話
石井 裕之
(CFPファイナンシャル・プランナ-)
こんにちは。FPの石井裕之です。
今回は最近の実体験から、タイトル通りの内容をご紹介します。
白状すると、地域包括支援センター(以下、地域包括)って、中高年以上が対象の施設と思っていました。弁解するようですが、その認識も無理ないのではと思います。
そもそも地域包括は、平成18年の介護保険法改正により誕生しました。設置主体は市町村で、保健師・社会福祉士・主任介護支援相談員等が配置され、地域住民の包括的支援を目的としています。お住まいのエリアには必ず管轄の地域包括が存在します。
ご参考までに地域包括の根拠条文である介護保険法115条の46を抜粋すると、次のように書かれています。
「地域包括支援センターは、…介護予防支援事業…及び…包括的支援事業…その他の厚生労働省令で定める事業を実施し、地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設とする」
介護保険は40歳からが対象ですが、包括的支援の対象もまた40歳以上であるとは、条文上明記されていません。
実は、消費者センター主催の研修を受講する機会があり、その際に講師を務めた地域包括職員から、年代を問わず、よろず相談が可能である旨の説明があり、ならば私がかねて相談を受けていた、うつ病の20代男性A君のケースも可能なのか質問したところ、OKとの回答だったので、相談させていただくことにしたものです。
A君は優しい性格で人見知り。サークルなどの打ち解けて話せる場を求めていたものの、自分から人の輪に入っていくことが苦手で、思い悩んでいました。地域包括へ直接連絡することはハードルが高いようだったので、私が代わって遣り取りしました(ちなみにこの件は無報酬です)。
A君の状況と希望を伝えると、地域包括の社会福祉士の方が親身になって探してくださり、複数候補の中から、A君の住所近くの地域活動支援センターを紹介してくれました。
地域活動支援センターは障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業としての機関で、障がいのある方が自立した生活を送れることを目指しています。やはり市町村が運営主体ですが、こちらは全ての居住エリアを網羅しておらず、任意の施設を利用する形のようです。
A君は障害年金申請その他で、何度も役所の窓口を訪ねていますが、地域活動支援センターの紹介はされなかったとのこと。行政がタテ割りたる所以なのか、あるいは窓口の職員がご存じなかったのかはわかりません。
で、私も同行して、まずA君は紹介された地域活動支援センターを見学し、気に入ったようなので利用登録を行い、現在通い始めたところです。居場所ができたことを喜んでいる様子で、ぜひ良い影響が得られることを期待したいものです。
地域活動支援センターは、自力で探しても見つけられる施設かもしれません。ただ、介護も同様でしょうが、支援する側も時間・労力が有限であるとの事情を踏まえると、地域包括のような情報量豊富な相談窓口を利用することは、検討されて良いように思います。
なお、先の消費者センターでの研修時に、もう一つした質問があります。今は地域包括が相談窓口とのPRに努めている段階のようだが、もし相談が集中するようになったらパンクしてしまわないかという点について。答えは「その通りです」でした。
なので、先行者利益というと変ですが、地域包括が相談を受けられる余力があるうちに利用されることがお勧めということになります。
それでは、また次回。
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