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住宅ローンの自行内借り換え
こんにちは。FPの石井裕之です。
読者の皆様のなかには、住宅ローンの借り換えをされた経験がある方もいらっしゃるのではと思います。当然のことですが大半の場合、借り換えの目的は返済額の軽減ですよね。
私事で、かつ大昔の話で恐縮ですが、私が労働組合の役員だった頃の春闘(懐かしいコトバです・・・)で、住宅ローン金利が3%を超える部分の利子補給が実現したことがあります。これにより、組合員は青天井の金利上昇リスクから解放されて実質金利負担が3%上限となり、会社の英断が称賛されたものでした。つい遠い目になってしまいますが・・・
現在(2021年1月時点)はフラット35(融資率9割以下、新機構団信付)、すなわち35年ローンでさえも最多金利は1.29%となっており、また各金融機関の金利も、かなり弾力的に運用されている状況です。たとえば某銀行の変動金利タイプでは、名目上は2.475%であっても、一定の条件を充たすと0.575%になったりして、何が何だか、という感じです。
もはや住宅ローンの金利引き下げ競争は限界ということで、主戦場は提供するサービスに移りつつあります。その典型例が団体信用生命保険(団信)。かつてはどこも同じでしたが、今は保障内容が実に多様化しており選択に迷うくらいです。
ところで借り換えについては、他行から有利な金利を提案され、それを材料に、もともと借りているところの引き下げ交渉に成功した例をよく聞きます。また(これは本来禁じ手なのでしょうが)、たとえばターミナル駅で、同じM銀行(ちなみに三大メガバンクはみなM銀行です)の東口支店と西口支店がある場合、同一行なのに異なる金利を提示された経験のある方もおられるかもしれません。
(余談ですが、かつて銀行で住宅ローンを担当していた知人から、いかに行内で審査に通る作文を書けるかが、担当者の腕の見せ所と聞いたことがあります)
タイトルの自行内借り換え(この場合、同一銀行かつ同一店舗内を指します)は、基本的には不可としている金融機関が大半。それはそうですよね。みすみす利益を減らす提案など、例の携帯電話料金引き下げのごとき事情がある場合でない限り、進んでやることはどこの業界でも基本的に考えられません。
ところが聞くところによると、最近どうも自行内借り換えに応じるケースがあるようです。いかに薄利になったとしても、契約がなくなるよりはマシということなのでしょうか(担当者のノルマ事情も絡んでいるのかもしれません)。
もちろん自行内であっても借り換えである以上、改めて審査があり、また借り換えの諸費用は発生します。それでもあえて借り換えた方が得策となるケースなら、もちろん検討の余地ありということですね。
この自行内借り換えは、良いかどうかはともかく、事実上言ったもの勝ちの世界です。 「できる筈がない」と思い込んでいる方は最初から問い合わせもしないでしょうし、まして貸している側から提案されることは、期待する方が無理というものです。
繰り返しですが、全ての金融機関窓口が応じているものではありません。また、その方の返済履歴なども考慮されるので、誰しもが当てはまる訳でもない点にもご留意ください。
以下蛇足ですが、ご自身では交渉が難しいと思われる方は専門家の利用も方法の一つです。報酬支払いが発生したとしても、借り換えに成功して総返済額が少なくなるのならメリットがありますね。私自身はやりませんが、ご希望があれば、可能そうかどうかも含めて、百戦錬磨の仲間をご紹介します。(笑)
それでは、また次回。
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