サイト内の現在位置を表示しています。

施設管理事業の強化に向けてリアルタイム映像解析による工場設備の異常検知システムを構築

~目視点検作業のDX化で、アウトソーシングサービスの作業効率と品質を向上~

2022年12月20日
NECファシリティーズ株式会社

NECファシリティーズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役執行役員社長:松下 裕、以下NECファシリティーズ)はこのたび、施設管理業務の強化に向けて、リアルタイム映像解析による工場設備の異常予兆検知システム「NEC DFM PresagioⅡ(プレサジオツー、注1)」を構築しました。
当社は、新システムを活用することで施設管理業務の大半を占める目視点検作業の8割程度を削減し、点検作業者に依存しがちな判断基準を均一化できると見込んでおり、今後、本システムを活用して施設管理業務のアウトソーシングサービスの作業効率と品質を一層向上してまいります。
なおNECファシリティーズは、本日よりNEC玉川事業場(神奈川県川崎市)で受託している施設管理業務において新システムの運用を開始いたしました。

背景

工場設備の経年劣化に伴い、ボイラーなど各種インフラ設備の状態管理の重要性が高まっていますが、一般的な工場設備には遠隔での集中監視ができていないものが数多く、点検作業者による巡回点検で設備の稼働状況や異常の有無を監視しています。点検作業者には多数の点検ポイントを理解し、点検結果から設備の状態を判定するノウハウが必要で、その習得には5年から10年の期間を要しますが、昨今の人材リソース不足により、点検作業者の確保および育成に時間をかけることが難しくなっています。また、現状の集中監視システムも老朽化対応や改修のコスト負担増加などの課題を抱えています。
巡回点検の約7割は目視点検作業であり(NECファシリティーズ実績)、巡回点検の効率化には目視点検作業の自動化が有効です。目視点検作業にはアナログ・デジタルメータの読み取り、制御盤のランプ点灯確認、設備の表示パネルの内容確認といった多様な対応と目視で得た情報を基に異常を判定するノウハウが求められます。
NECファシリティーズは、昨年4月に3Dウォークスルービューと振動診断の仕組みを組み合わせた設備の異常予兆検知システム「NEC DFM Presagio」を発表し、これを活用した巡回点検作業の効率化に取り組んでまいりました。そして今回、キヤノンマーケティングジャパン株式会社の協力を得て、生産現場の自動化など生産性向上を支援する画像処理ソフトウェア「Vision Edition(キヤノン株式会社製、注2)」の機能を追加した「NEC DFM PresagioⅡ」を活用し、点検作業者による巡回点検業務から自動監視への代替に向けた運用を始めました。

「NEC DFM PresagioⅡ」を活用した目視点検作業の特長

(1)施設管理業務のノウハウによる監視ポイントの選定

半導体工場を中心に蓄積してきた施設管理業務のノウハウを有する当社の熟練技術者が、多くの点検対象設備の中から重点監視ポイントを選定します。選定した監視ポイントを画像処理ソフトウェアに登録することにより、監視カメラが監視ポイントを自動撮影し、異常の有無を判定します。

(2)リアルタイム映像解析と熟練技術者による基準値・正常状態の定義づけ

画像処理ソフトウェア「Vision Edition」がアナログメータの読み取りや数字の認識など映像の種類に合わせてリアルタイムで映像を解析します。当社の施設管理ノウハウを活かし、複数の監視ポイントの解析結果を組み合わせて異常を判定できるロジック(判定フロー)を画像処理ソフトウェアに搭載することにより、単一の監視ポイント異常だけではなく設備の系統全体での異常判定を実施します。これにより、点検作業者に依存しがちな判断基準の均一化が可能になります。

図:異常予兆検知システム「NEC DFM PresagioⅡ」の全体像(赤枠が今回の追加機能)zoomクリックして拡大
異常予兆検知システム「NEC DFM PresagioⅡ」の全体像(赤枠が今回の追加機能)

※DFM Presagio Ⅱは、監視センターで監視カメラ映像やセンサーデータの解析により、設備の異常予兆を検知するシステムです。DXによる点検作業の効率化と判断基準の標準化により高品質の施設管理サービスを提供します。

今後の展開

今後、当社はキヤノンマーケティングジャパン株式会社と協力し、水漏れ、蒸気漏れ等のトラブル検知に取り組み、異常予兆検知システムの機能をさらに拡張することで、目視点検作業の代替範囲を拡大する計画です。
NECファシリティーズはお客様の工場のライフサイクルマネジメント(Factory Life Cycle Management)にTotal IFM(注3)で貢献し、総合的な課題解決を提供しており、今後も施設管理業務の遠隔化・自動化を推進し、IoT・AI、映像監視等の技術と組み合わせた施設管理業務を提供することにより、お客様の工場の効率的な安定稼働に貢献してまいります。当社は「NEC DFM PresagioⅡ」が施設管理業務のアウトソーシングを一層拡大するものと位置づけ、Total IFMを通じた工場施設運営事業において2025年に2,000億円の売上を目指します。

以上

  • 注1:

    NEC DFM Presagio

    当社の異常予兆検知システムの名称。DFMはDx Facility Managementの頭文字。Presagioはイタリア語で「予兆、予知」の意味です。
    Presagioはイタリア語で「予兆、予知」の意味です。

  • 注2:

    「Vision Edition」はキヤノン株式会社の登録商標です。

  • 注3:

    Total IFM (Integrated Facility Management)

    工場施設運営を経営戦略としてとらえ、工場を止めずに安定稼働させるための基盤を支えると同時に、効率的な設備改修計画等の提案・施工でお客様の投資効率を高め総合的な課題解決に貢献する、施設管理・建設・環境・不動産・保険の5つの事業のシナジー。

<本件に関するお客様からのお問い合わせ先>

NECファシリティーズ株式会社 FM事業部
E-mail:iot-info@necf.jp.nec.com
URL:https://www.necf.jp

<本件に関する報道機関からのお問い合わせ先>

NECファシリティーズ株式会社 事業企画本部
E-mail:necf_press@necf.jp.nec.com


NECは、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、
誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指します。

NECは、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、
誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指します。