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飲酒・食欲と睡眠

(2025年2月掲載)

石井 裕之
(CFPファイナンシャル・プランナ-)

こんにちは。FPの石井裕之です。

厚生労働省が2024年2月に公表した「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」によると、飲酒によるリスクは飲酒量(純アルコール量)が少ないほど低減し、かつ、高血圧等の疾患がある場合は少量でも発症リスクを上げてしまうそうです。

古来より、酒は百薬の長とされてきましたが、残念ながら(少々きつい表現ですが)アルコールは一滴でも有害ということになります。今の若い世代は飲まない人が多(アルコール飲料メーカーでも同様なのでしょうか?)、その意味では理に適っているといえそうです。

またシニア世代を含めて、「ソバーキュリアス」が増えているとのこと。「ソバー」(Sober=シラフ)、「キュリアス」(Curious=好奇心旺盛)、つまりお酒が飲めるにもかかわらず、あえて飲まない選択をする人という意味で、バーやクラブに行っても飲むのはミネラルウオーター等。そのための洒落たデザインの製品が売れているそうです。

さらにこのガイドラインでは、避けるべき例として不眠を解消するための飲酒が挙げられています。眠りが浅くなり睡眠リズムを乱す等の支障が生じることが理由で、いわゆる寝酒は、入眠効果はあるものの、睡眠の質を下げてしまうそうです。要するに(お酒好きの方には申し訳ないですが)、早く眠りにつくことと睡眠の質の向上とは選択になってしまうようです(例外はあるかもですが)

睡眠の質については、食欲とも大いに関係があります。食欲を抑えたい悩みをもつ方(私もですが・・・)は、睡眠を十分にとることが大切とされています。

米国のある睡眠生理学に関するレポートによると、6時間しか寝ない人は8時間睡眠の人に比べて7.5倍も太ると報告されています。レプチン(食欲を抑えるホルモン)の割合が低くなり、逆にグレリン(食欲を増やすホルモン)が増加することで、食欲をコントロールするホルモンのバランスが崩れてしまい、食欲が暴走してしまうからだそうです。

このホルモンバランスの変化は、たった2晩の寝不足でも起きるそうで、まして睡眠不足が常態化してしまうと、常に食欲旺盛となり、さらには身体が生命の危機と判断して基礎代謝などのエネルギー消費を節約するようになって一層太りやすくなるのだとか。

別の報告では、血中のグレリン増加によって嗜好も変わり、スナック菓子のような脂質・糖質・炭水化物が多い高カロリー食を好むようになるそうです。これらは栄養素の偏りがあり、摂取できない栄養素があることで、いくら食べても満腹にならない状態が続きます。

一方で、睡眠中には脳から脂肪を分解する「成長ホルモン」が分泌されます。入眠直後から約3時間の深いノンレム睡眠中が分泌のピークで、その後次第に減少するそう。とすると、寝つきよく深く眠ることが極めて大切になります。体の疲れが取れないと感じるのはこの成長ホルモンの分泌不足が原因で、この場合、脂肪も分解されていない可能性が高いとのことです。

そしてこれは常識レベルでしょうが、食後約3時間は胃腸の働きが活発化するので、食事が就寝直前だと、ぐっすり眠れなくなります。揚げ物を食べる場合は4時間位前が望ましいそうです。また炭水化物ばかりだと低血糖により、夜中に目が覚めてしまったり、意に反して早く起きてしまう原因になる場合もあるそうです。

 

食欲を抑える対策は他にもいろいろありますが、お金がかからず、かつ科学的根拠もある点で、まずは十分睡眠をとることがお勧めです(まして冬ですし)

今回は自戒の意味もこめて書かせていただきました。

それでは、また次回。